ドクター

クリニックからどうやって部屋に来たのか分からない。
実さんは院長に報告してくるって言ったけど、私は布団に潜ったまま。
本当にいるのかな。
このお腹の中に・・・・・・。







そうこうしているうちに、実さんが部屋に戻ってきた。







「実加、近いうちに産科のある病院へ行こう。
いつもの愛知病院でもいいけど、どうする?
きっと喘息があるから、かかりつけの病院の方がいいんだけど。」






よく分からない。
なんで実さんはこんなに冷静なの?
医者だから?自分のお腹に授かった訳じゃないから?
なんで?そんなもん?





私はどうしたらいいのか分からなかった。






「実加・・・・・・?」






「病院とか、まだ考えられない。」






「そうか、分かった。
でも早い方がいいから。
気持ちが落ち着いたら、教えて。」






そういうと実さんは、私の背中を優しく撫でた。
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