ドクター

部屋には私用のベッドに机にタンスに、全てが揃えろれている。
なんで、こんなに至れり尽くせりなのだろうか。  
お医者さんだから、お金が有り余ってるのか。
いや、それにしてもおかしい。






こんなにうまくいく訳がない。
体も弱い私を18歳になった年に引き取るなんて、有り得ない。
何が目的なんだろうか。





いろいろな考えを張り巡らせていると、気づくと部屋に一人でいた。






居心地が悪い部屋。
慣れない部屋に、私以外誰もいないのに緊張している。
とりあえず隅に腰掛けた。






緊張しすぎて喉はカラカラだけど、吐き気がする。
気持ち悪い。
  





しばらくして、院長がご飯だと呼びに来た。






気持ち悪くて無理。
言葉も出ない。     






それなのに、院長は私の返事を待っている。
何か答えようとしても、声がうまく出ない。





ようやく院長に体調が悪いのか聞かれて、首を振った。
本当は体調が良くないのだけど、そうしなければ、
病院に連れてかれてしまう。





あんな思い二度としたくない。
病院は怖いところだと前に運ばれたときに思った。






食欲はないが、院長に呼ばれてリビングへ。
どんなに忙しくても、リビングで食事をとるらしい。
私は行きたくなかったが、院長は譲りそうになかったから、渋々着いて行った。
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