クロ * Full picture of the plan * Ⅳ

山中紫月 side




琥珀「……で?お前らは'スパイ'のこいつをどうする??
今はやめてたとしても、情報を流したのは事実だろ?解雇するのか?」



誰もが口を開けない中、琥珀は淡々と話を進めようとする。



伊織「っ……。」



今まで熱くなっていた伊織は、琥珀の言葉に泣きそうな顔を隠すかのように俯いた。



陽向「…これは、先代じゃなくお前らが決めることだろ?

彼方、凪、神楽、紫月。」



琥珀「…ずっとここでやって来たお前らしか判断する義理はない。」



陽向と琥珀は俺たち4人を順に確認するように見渡してから伊織に目を止める。



琥珀「伊織、お前は覚悟したんだよな?」



伊織「……(コクン)」



いつになく真剣な琥珀の声に伊織は顔を上げ、ゆっくり縦に頷いた。



そして俺たちの方を向き、



伊織「…俺は、ずっとお前らも先代たちも騙してきた。
今更謝ったって流した情報が元に戻るわけじゃないし、解雇されて当然だと思ってる。


でも、これだけは言わせて欲しい。
俺はスパイだったとしてもここに入ってよかった。毎日がつまらなかった俺に光を差し込んでくれたのは青星だった。




だから、ありがとう。感謝してる」


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