クロ * Full picture of the plan * Ⅳ
「ひま!お前、こんな時間に何してんだよっ!?」
いくら夏だといっても真夜中なんて真っ暗なのに、顔色一つ変えないひまに近所迷惑なんて考えないで怒鳴りつけた。
「…そうゆうこーちゃんは、?」
「俺はっ…ただのさんぽだよ…ッ!」
きょとんとした顔で俺を見上げたひまに、俺は思わず嘘をついた。
けれど、嘘をつき慣れない当時の俺はあからさまに目を逸らし、どう見ても嘘だとバレていただろう。
でも、ひまは気がついた上で敢えて何も言わないでくれた。
「…っつーか!お前は何してんだよ!!
しかも、こんなところで!!
ひまんちは、まはんたいだろっ!?」
当時のひまの家はその公園からは真反対のところにあった。
俺の家からでも近くないのに、ひまの家なんて子供にしてはかなり遠かった。
それに加え、ひまはロリコンの奴らにかなり目をつけられたりしていた。
それもそうだろう。
ひまはただでさえ世間でいう美少女で、幼さは残るものの顔も整っていて、日本人離れしている珍しい髪に瞳の色。
…目をつけられてもおかしくはない。
何度誘拐されかけたことか……。
はあ…とわざと大きく、ひまにわかるようにため息をついた。
「……あれ?ひま、これけがか??」
ため息をついた時に下を向き、気がついた。
黙ったままのひまの足に目を止め、俺は今まで顰めていた顔をスッと戻し、ひまの目の前にしゃがみ込んだ。
真っ白いワンピースの裾ギリギリに見えた痕に不審を抱いた。