クロ * Full picture of the plan * Ⅳ
祭星藍 side
星藍「…なーにしてんの。
俺たちに休めって言ったのはこーでしょーが。」
こーが解散を言い渡してから4時間経った午前0時ぴったり。
俺たちしか知らない隠しテラスにやって来た俺の前には、先客がいた。
琥珀「……星…。」
星藍「あ〜満月だ!綺麗だねぇー」
声を掛けた俺を驚いた様に見たこーを無視してこーの隣に立って月を見上げた。
…今日は満月で、月明かりのお陰かいつもより明るい。
琥珀「お前さ、その喋り方やめろよ。本性知ってっから余計に気持ち悪ぃ」
俺が敢えて無視したことに気がついて、呆れたような目線を向けてくるこー。
それが懐かしくて、自然にポロっと口調が変わる。
星藍「うっせーなぁ…別にいいだろ?
長い間やってっと癖になっちまうんだって。」
いつも緩い喋り方をしているのは、自分が祭組の若頭だと周りに思わせないためだった。
だが、いつの間にか本性を隠すためだけにその喋り方が癖になっていた。
初めてこーたちに会ったときは、ずっと自然と本性で話していた。
それに気がついたのは俺の表の仮面をこーたちに見られた時で、こーたちに言われなかったら多分気がつかなかったくらい自然に接していた。
星藍「…で?夜中に空見て何考えてたんだよ。」
その答えを知っているのにわざわざ聞くから、騎士に腹黒いとか言われるんだろうな…。
俺からしてみれば充分騎士も性格悪いと思うけど。
琥珀「……別に。大したことじゃねーよ」
フイッと俺を一瞬見てから夜空を見上げた。
…変わってないな、その癖。