クロ * Full picture of the plan * Ⅳ
俺はいつの間にかこいつらの、青星の本当の仲間になりたい、と、そう思ってしまった。
上辺だけ、偽りだけの筈なのに。
「もう嫌だ!俺はもうスパイなんかやりたくない!!」
電話の相手に、俺に機会を与えてくれた"ボス"に、そう怒鳴っていた。
…それでも"ボス"は冷静に、予測していたかのように冷たく言い放った。
『…誰がお前をそこに入れてやったと思っている。お前に拒否権などある訳がないだろう?
お前は俺に従っていればいい、お前は俺の"道具"なのだから。
…それでも逆らうというのなら、俺は青星を潰そうじゃないか』
ごく普通に、日常会話のように。
"ボス"は、俺を変えてくれた青星を潰すと。
俺は"ボス"の道具にすぎないのだから、辞めたければ辞めればいい。
ただし、そんなことをすれば青星にもう用はない。
俺に対して最大の脅しだった。
孤独から救い出してくれた青星をこんなことをやっている俺が潰す?
『……お前は今まで通り、俺に情報を流せばいい。簡単だろ?スパイさんよぉ』
迷いなどなかった。
いくら辞めたいと言ったって、自業自得なんだ。
自分が始めたことは最後まで責任を持つ。
「御意。」