クロ * Full picture of the plan * Ⅳ



-今から14年前。



当時俺たちは高2の17歳で、龍神葵絆こと、葵絆は高3で俺たちの1つ年上だった。



その年の7月12日、総長だったトモが"事故"にあって死んだ。



その次の日には、タツさんに言われて幹部が引退し、葵絆が総長、俺が副総長、京と飛鳥が幹部となった。



…俺たちは納得なんてしてなかった。



そもそも俺に副総長なんざ務まるわけがないし、上に立つ人間なんかじゃないから



その時はまだ副総長という肩書きを"預かってる"状態だった。



‥‥その状態が変わった発端はその年の8月10日の真夜中だった。



学校が夏休みに入っていた俺たちは倉庫に泊まっていた。



当然葵絆も泊まるはずなのだが、夕方に出ていったっきりで夜中になった今でも帰ってきていなかった。



たった1ヶ月前に仲間を亡くしたばかりの俺たちはたった数時間いないだけで不安になった。



携帯は幹部室に置きっぱなしにしてあり、連絡はつかない。



ただただ心配で、寝付くことが出来ずに俺たちは3人揃って幹部室で葵絆の帰りを待っていた。



…そうして待っていて何時間経った頃だろうか。



でも、日を越して午前2時は過ぎていたと思う。



ーーガチャッ



ようやく幹部室の扉が開いた。



「「「葵絆っ!」」」



ここにノックをせずに入ってくるのは現幹部か先代しかいない。



そして、こんな時間にここへ来るのは葵絆しかいない。



だから葵絆だと確信し、俺たちは開いた扉に駆け寄った。


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