クロ * Full picture of the plan * Ⅳ

工藤雷 side




ーーコンコンッ



雷「入るぞー」



ガーッ



スライド式の扉を開けた先にいたのは、



??「あ、工藤先生、こんにちは。今日もいらっしゃったんですか?」



ベッドに眠る俺らと同年代の男と、よく知る看護師。



雷「えぇ、まあ。
何か変わった様子はありますか?」



看「…いえ、特には。」



雷「………そうですか」



この広い個室にある一つのベッドで眠る男に近づく。



看「あれ、今日は沢山のお見舞いが来てらっしゃるんですね。
…では、私はこの辺で失礼します」



俺についてくる奴らを見て、看護師は道具を持って病室を出て行った。



『…なんで、うちの病院に・・・?』



シーンと静まる病室で耳元から聴こえた捺翔の困惑した声。



…まあそれも無理はない。



だってここは、俺の職場でもあり、捺翔たちの実家でもある、村野総合病院の病室なんだから。



…しかもここは"関係者"以外立ち入り禁止のゲストルームの個室。



いくら実家でも、捺翔や勇起斗は入ったことはないはずだ。



そんな病室に何故普通の医師である俺が入れたのかというと‥‥



雷「…ここに眠るこの男が、三代目幹部であり、四代目総長の龍神 葵絆だからだ。」



『「「「「「「「「「っ!!」」」」」」」」」』



…驚いて当然だ。



ここに会ったことのない、四代目の総長が意識不明で眠っているんだからな。



凪「…なんで、先代がこんなところに‥‥?」



震える声でじーっと葵絆を見つめながら呟く。



京「……葵絆は、昏睡状態のまま・・・




もう、13年も眠り続けてるんだ。」



『「「「「「「「「「「っ、!?」」」」」」」」」」』



『じゅう、さん、、ねん‥‥?なんで…』



…あぁ、もうあの"事件"から13年も経つのか・・・



雷「…今からそれを含めた全てを話す。



あの"事件"のことも‥‥



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