クロ * Full picture of the plan * Ⅳ

朝比奈琥珀 side




紺色のカーテンの隙間から、暑く眩しい日差しが差し込む。



その光を、横になったままぼんやりと見つめる。



意識がはっきりしてきたところで、大きく欠伸をしながら軽く伸びをして起き上がる。



そこで、やっと状況を思い出した。



バッと勢いよく隣を見たが、人の様子はない。



……向日葵は、?



まだ昨日のことが夢のように感じ、脱ぎ捨ててある服を適当に着て、フラフラと部屋を出た。



何処に行くとかは特になく、適当に家中の部屋を回った。



それでも、向日葵どころか、人の気配さえしない。



………帰ったのか…、??



ぼんやりとしたままの頭でそんなことを考え、とりあえず完全に目を覚ます為、洗面所に向かった。



…顔を洗うより、シャワー浴びるか。



洗面台から目を外し、適当に着た服を脱ぎ、シャワーを浴びる。



朝だからか少し肌寒く、昨日のままのぬるま湯が丁度いい。



暫くシャワーを浴び、完全に目が覚めてから上がった。



バスタオルで身体を拭いていて、ふと服を持ってくるのを忘れたのに気がついた。



とりあえず、洗面所に置いてある下着を着て、タオルを肩に掛けたまま自室へと戻る。



少し肌寒いし、風邪引くと面倒だから、真っ先にクローゼットを開けた。



クローゼットの中のタンスから、綺麗に畳んである私服を取り出して、そのまま着た。


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