クロ * Full picture of the plan * Ⅳ
だが、
琥珀「ひまっ!!」
ピタッ
ずっと頭を抱え、座り込んでいたはずの琥珀が立ち上がっていた。
ガタンッと静まっていた倉庫に大きな音が響いたが、琥珀はそれを気にすることなく階段から向日葵の方をのぞき込んだ。
いきなり大声を出した琥珀は、何かが吹っ切れたような顔をしていた。
さっきより殺気が強くなった向日葵は立ち止まったが振り向く事は無い。
琥珀はそんなことを気にすることなく、階段を飛び降りた。
琥珀「もうやめろよっ!!
お前は…ッ」
シュッ
琥珀が向日葵の背中に近づき、あと数歩のところで向日葵は動いた。
ワイヤーと言っている持っていた糸を引っ張り、琥珀を下っ端たちと同じように吊るした。
それでも、向日葵は振り返らずに冷たく突き放すように言い放つ。
向日葵?「なにが?僕ハ好きでコレをやってるんだ。君ニなにかいわれる筋合いなんかないよ。
もっとも、君は僕ヲ"恨むべき人間"。なんだからさァ?
今度こそ、さよならダ。
Bluestar.」
「「ひまっっ!!!!!!」」
その言葉を放った向日葵は、琥珀、そして陽向の止める声にもう振り返ることなく、倉庫を出ていった。
ガタンッと大きな音で扉が閉められた時、向日葵が裏切ったんだと、実感させられた。
…それから俺は、俺らは、暫くはどうしようも出来ずに、ただただその場に立ち尽くしていた。