サバイバル学園
「舞子……」




オレはそうつぶやいて、ドキドキと大きな音を立てる心臓の鼓動を聞いていた。




オレの膝は、みっともなくカタカタと震え、オレが強がっていても、恐怖に怯えていたことをオレに教えてくれていた。




舞子は、トラが動かなくなったのを確認すると、構えていたライフル銃を下ろして、オレに顔を向けた。




「油断すなよ、虎男。

猛獣を全滅させて、イベント参加者を全員、救うんだろ?

虎男が死んだら、みんなはどうするんだよ」




舞子はそう言って、オレに笑顔を見せた。




オレは舞子のその笑顔につられて、膝を震わせながら、笑っていた。
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