たんていもどき?
商店街を出て事務所に戻ろうとし歩いていると何処からか叫び声が聞こえた。

「今月の給料まだ入ってないんだよ!払えないんだから仕方ないだろ!このガンコババアが‼︎」

「なんやてこの小僧が‼︎家賃が払えないならさっさと出ていきな!お前のような小僧にババアと言われる筋合いはないね小僧!小僧‼︎」

とてつもない会話内容が目の前のアパートの門から聞こえてきた。

(揉め事ならスーパー探偵高木様の出番のようね!よーし‥

依頼を探してやっと依頼になりそうな出来事が目の前で起き止まってはいられなかった。
アパートの前で少年とおばさんと犬が吠え続ける光景は恐らくこの町だけだろう。

「はいはいっストーップ‼︎喧嘩はそこまで!スーパー探偵高木様が来たからには問題解決だよ!で、何の事で言い合ってるんですか?」

いつものように自慢気に名乗り仲裁し始める優奈を少年とおばさんと犬が睨みつける。

「なんだいあんたは!このアパートの問題なんだから入ってくるんじゃないよ!小娘はあっち行っとき!」

煙たがるような目で優奈を見つめそう言った。犬はおばさんに対して吠えてる事からこの少年が飼い主なんだろうと優奈は思った。

「さっきからなんだいこの犬は!あっちいけぃ!」

犬に対して当たってはないが蹴りを入れてきたおばさんに怯え犬は何処かへ逃げてしまった。

「あっ!レクサス! くそっこのハイパーババアめ!こんなアパート出てやる!」

少年は逃げてしまった犬を追ってどこかへ行ってしまった。残ったおばさんと優奈だけになり気まずい空気になっていく。
おばさんは物凄い形相でこちらを睨みながらアパートから離れて行き優奈も事務所へと帰った。
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