さよなら、愛しき人。【完】




「それで、急にどうしたの?」


「実はね、いま会議室に父さんと母さんがいるんだ」


「え!?」


「どうしても急用の話があるって聞かなくてね。今は会議室で待たせてるよ。僕はルイを呼びに来たわけさ」


「なんで2人が…」


「わからないよ。行ってみたら?僕はここに残って唯奈ちゃんとお話するよ」


「いや、それは早紀さんに任せてるから」


「あ、さっき呼ばれてたよ?なんでも受付の人が重要な話があるとか」


「え?そうなんですか?」


早紀さんは急いで社長室をでていった。


「じゃあ…よろしくね、兄さん。何もしないでね」


そういって出て行った。


出ていく間際にレオさんを睨んでたなんて、私は知らない。


「唯奈ちゃんはいつからルイの家にいるの?」


「えっと…半年ですかね?」


「へぇ、そうなんだ?それで、そのお腹の子は?」


「あ…えと……」


「違う人の子どもなんでしょ?」


「え?」


「ごめんね、僕ほんとは知ってたんだ、唯奈ちゃんがルイの家にいること」






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