甘い~秘密¨あたしの危険なドキドキ恋愛☆
「先生…別れましょう…」


「…何言ってんの?」


「別れて下さい。」


「理由は?俺が納得するように言えよ。」

 先生の声のトーンが変わった。


「…………」

 考えていた事が口から出ない…


「菜々。黙ってたら分からないんだけど。俺の事何だと思ってんの?」


「…………」


「訳も言わないで、はい、分かりましたって受け入れると思う?俺がそんな軽い付き合いしてないの知ってるよな?」


「…………」


「何黙ってんだよ。」

 先生の口調が荒くなった。

 あたしのせいだ…


「先生の事…もう好きじゃない。」


「菜々…俺の目、見て言えよ。」

 先生の目を見た。


「あたし、先生の事…大っ嫌い。」

 先生の目を見て言った…


「菜々…それ本当?」

 大嫌い…

 この言葉…

 胸が痛い…

 先生…ごめんね…


「…大嫌い…」


「菜々…嫌いなのに何で泣くの?」


「えっ……」

 
 気づかなかった…

 涙が出てた事に…


「嫌いってだけなのか?」

 先生好き…本当は大好きだよ…

「嫌いってだけで十分でしょ…」


「…………」

 先生が黙りこんだ…

 あたしが先生を傷つけたんだ…

 あたしが…


「先生…嫌いです…理由はそれだけです。先生の気持ち…押しつけないで下さい。」

 先生…先生…嫌いなんて言ってごめんなさい……

 先生を傷つけてごめんなさい…


「…………」



「先生…ごめんなさい…」

 そう言ってこの部屋から出る…


 その時先生が…


「菜々っ!俺…俺…諦められないよ…」


「せんせい…ごめんなさい…」


「菜々…これだけは忘れるな。俺はお前を…本当に愛してる。ずっと」


 先生…ありがと。

 あたしの事好きになってくれてありがとう。

 愛してくれてありがとうございます…


 先生とあたしは…終わったんだ。
< 896 / 907 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop