向日葵

「私は、いなくなったりしないよ?」

「えっ!?」

「私は...澪じゃないよ?」

なぜか
涙が零れた。

澪...。

俺が頭の中から
消した名前。

どうして美奈が?
頭がおかしく
なりそうだった。

「ごめんね。私、この写真の人が遼介くんのお父さんさんで、10年前に亡くなってる事も知ってた。」
「どういう事だよ。」

「澪に約束したの!私が澪の変わりに遼介くんを探して、これからは向日葵を渡すって。」
「なんでその事...」


「忘れちゃった?私は澪の幼なじみで、あの時、澪を助けて死んだ男の妹。」

「でも澪は!」

「澪は死んでなんかいない!ただ、現実から逃げただけだよ。」

「意味わかんねぇよ!全然...わかんねぇよ。」


俺は無意識に
走り出した。



...澪...澪



...澪。
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