連れて行って。





朱理の予感は的中した。


昼休みに近づくにつれて
どんどん羽は大きくなっていった。


一番後ろの席なので授業中は平気だが
休み時間になるとどうも隠せない。


後ろのロッカーの上に置いてある水槽を鏡がわりに見てみる。



羽は、ブレザーを破いていた。


今もなお動いていて、まるで蝉が殻から出てくるようだ、と朱理は思った。


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