怖い短編集
恵梨奈と未来ちゃんの悪霊が、

海水に入っていく姿を見て、

私は息がきれているにも

かかわらず、

全力で走り続けた。






早くしないと、

恵梨奈が未来ちゃんに

連れていかれてしまう。






恵梨奈は服を着たままで、

未来ちゃんの悪霊に

寄り添うようにして

その体を海水に沈めていった。






〈 止めて! 未来ちゃん。

お願い……。

恵梨奈を連れていかないで! 〉






恵梨奈は、自分の体を

肩まで海水に沈め、

さらに海の深いところへと

進んでいた。






〈 恵梨奈!

行っちゃダメ! 〉






私が心の中で

そう叫んだとき、

恵梨奈の頭が、

すっぽりと海に沈んだ。






私はその光景を見て、

今にも心臓が止まりそうなほど

ドキリとして、

懸命に走り続けた。
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