笑う門には福来たる!!
笑う門には福来たる
~ちょっと番外編~



「誠十郎、知ってるか?
笑う門には福来たるって言葉」

「しってる」

「だったら、笑え!!無理してでも
笑ってりゃ福がくるんだよ!」


「笑ってるだけで、福がくりゃ世話ねぇ」













土方がそう言ったから…


誠を産んだ後、どんなに辛くても

無理して笑おうと頑張った







「知ってる?
笑ってる人の回りは、皆幸せなんだよ!」


沖田がそう言ったから


誠が幸せになるように


たくさん笑った





誠が逝ってしまった後


「土方さん、笑って下さい!!」

「なぁ?なんで、総司は呼び捨てで
俺は、土方さんなんだ?」

「土方さんでしょ?」

「そうだけど……俺も下の名前で呼ばれたい」

「下の名前、なんだっけ?」

「歳三」

「言いにくそう
いい!土方さんは、土方さんなんだから」

「良くねぇ!!」


「いいよ!!
夫婦になるわけじゃあるまいし!!」

「なっ……ならねぇの???」

「なりませんよ?」


一生懸命に土方を元気づけた

なんだかんだ

土方が、笑ってくれるようになってから


「君菊に戻ります」














雨の上がった日


藤十郎を見送った後、発作を起こした




〝土方さん

もう、大丈夫ですね?
誠がさみしがるといけないから
誠の元に行きます
もう一度、夢の中でもいいから
貴方に会いたかった……〟







「血が足りなかったようです
それで、心の臓を病んだとかで
誠を産むとき、医者から命の補償はしないと言われたそうだ
余命1年と言われたのに、やりたいことをやり通して、こんなに笑って逝けて
誠十郎は、幸せ者だよ
土方君、ありがとう」



鼻血を出しすぎた

不安にさせたせいだと

土方は、くやしかった


〝誠十郎
会いたかった…
ずっと、ずっと一緒にいたかった
死んだって聞いても
どこかにいる気がしてたよ
見つけてやれなくて、ごめんな

生まれ変わったら


夫婦になってくれよ


俺が嫁にしてぇのは、お前だけなんだ〟




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