王子な秘書とシンデレラな御曹司

「どうしてこれを?」
私が無くした重要事項。
敵の不正が全て詰まっているUSBメモリー。
机の中で保管していたのに無くなっていたお団子さん。
拾い上げて見つめていたら

「これが何か知ってたのか?」
矛先がこちらに向かい
俺様副社長は私の目の前に来て飛びかかる勢い。
怖いっ!
恐怖が襲って来た瞬間
副社長は素早く私の前に立ちガードする。

上質なスーツの背中に守られ
私は様子を覗いていた。

「鶴が出てきた?」
副社長は自分の弟に楽しそうに言うけれど、両手を後ろに回して私をしっかり守ってくれる。

「ツル?ああ出て来たね。画面に鶴がやって来て『You Lose!』って文字が出た。そしてその後はウィルスにやられてパソコンのデーターが全部消えた」

え?
ええええっ?
これってウィルスだったの?
こんな可愛いお団子にコンピューターウィルスが入ってたの?

だから副社長は私に開くなって言ったんだ。
コピーを取って何かあったらどうしようって思ったから、コピーも禁止したのか。

納得。

「罠にハメたな」
いつも男らしいイケメンが、今日は悪魔のような邪悪で怖い顔をしていた。
それほどプライドを傷付けられ怒ってる。

「それは罠じゃないよ。オマケみたいなもの」
しれっと答える副社長。

「オマケ?お前ふざけんなよ!」
怒りにまかせて手を上げようとしていると

「敏明君!」

今度は田崎専務が部屋に飛び込んで来る。


どーゆーこと?
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