王子な秘書とシンデレラな御曹司
姫をわが手に


 副社長の言葉通り

ジェットコースターな日々が続く。

ジェットコースターと言うよりも
それより動きが早いから
バンジージャンプな日々の方が合ってるかな。

あぁこの変なこだわり
誰かさんに似てきた気がして怖い。

田崎専務は辞職した。
まだ働き盛りだったかもしれないけれど
悪巧みがバレて左遷されるより辞職を選んだ。

弟である俺様副社長は研究所に飛ばされた。
一応、所長と言う肩書はついているけど
内容的に所内の管理みたいなもので、外部との接触は少ない。

「研究所に移動なんて、うらやましすぎる」

本気で悔しがるってどーよ。

死神常務は春から本社に戻り

うちの副社長は正式に後継者へ任命される。

部屋も引っ越す事になり
やっと資料室からさよならできた。

「あの広さが、丁度いいんですけどね」
ブツブツ言いながらも
俺様副社長が使っていた部屋にお引越し。

「やっぱり資料室より温かいですね。景色もあるし。あ、じゅうたんがフカフカ」

感想が気の毒だわ。
本当にシンデレラだったね。よかったよかった。

広い部屋に大きな窓。
座り心地の良い重役イスと設置された応接セット。

カウンターにはお気に入りのコーヒーセット一式。

「広いから豆の焙煎機を置けますね」

またカフェになって
沢山人が集まりますね。

もう
苦い顔する私が居ないから
みんなで仲良くコーヒータイムできますよ。

でも
資料室でコーヒー飲んで集まってる人達にも、社内の情報とか副社長の見えない話やら、色々教わったようだ。
勉強になったって副社長は言っていた。

ただのカフェではなかったんだ。
情報交換とか勉強の場だったのね。



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