落ちてきた天使
『何って、これ渡すの忘れたから持ってきてやったんだろーが』



呆れたように言いながら、松永皐月は洗濯機にハーフパンツをぽいっと置いた。



『ゔ……っ、ならノックぐらいしてよ』



シャワーを借りといて横柄な態度だって自分でも思うけど言わずにはいられない。


最低限それぐらいのルールは守ってほしい。


『あー、悪い悪い』と頭を掻いてるけど、全然悪いって思ってるように見えないしっ!


ジトーッと松永皐月を睨む。


私の視線に気付くと、男は面倒臭そうに『何だよ』と息を吐いた。



『……見た?』



気になるのはそこだ。


小さく貧相な胸、細すぎる腰。
凹凸が全くといってないこの子供体型は、私のコンプレックスだ。



『何を』



松永皐月は意味わからないと言いたげに眉を寄せる。


とぼけているのか、本当にわからないのか。
大人なんだから今ので察してほしい。



『何って…それはっ……』



恥ずかしさの余り口籠ってしまう。


今この状態でも恥ずかしいのに、更に恥ずかしい事まで言わせる気かこの人はっ‼︎


あー!もういいから、とにかく早く出てってよ!


そう言おうと口を開いた時、『ああ、そういうこと』と意味深な笑みを浮かべたーーーー。




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