落ちてきた天使
「これ履け」



男は手に持っていた物を投げ渡す。

慌ててキャッチすると、それはウエストを締められるハーフパンツだった。



「あ…ありがとう」

「そんな太い足で歩き回られても迷惑だし」

「太い足って…っ‼︎ホント失礼なーーー」



え……


こっちを一切見ずにキッチンに戻っていく男の横顔に、思わず言い掛けた言葉を飲み込んだ。



耳……真っ赤になってる。

もしかして、照れてる……?


さっきハーフパンツを取りに行く時、一瞬顔を顰めたのも全部照れてたからなの?


なんだ……意外と可愛いところあるじゃん。


なぜかちょっぴり嬉しくなってクスッと笑った。


案の定ギロリと睨まれたけど、赤くなった顔でそんなことされても全然怖くない。


それどころか、前ほど嫌悪感がないから不思議だ。





脱衣所でハーフパンツを履くと、再びリビングのドアをそーっと開けて中に入る。



「うわぁ!美味しそう!」



途端、目に入ったガラステーブルに並べられた料理の数々に感嘆の声が漏れた。


ナスとベーコンのトマトクリームパスタとサラダ。それから、オニオンスープ。


それはどれもお店で出てくるような見栄えで食欲を唆られる。


立ち上る白い湯気もそれを更に増大させた。



「突っ立ってないで座れ」



コツンと、缶ビールを持った手で軽く頭を小突かれる。


そしてオレンジジュースをテーブルに置いて座ると、男は缶ビールのプルタブをプシュッと開けた。




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