落ちてきた天使
よく話を聞くと、洋平がバイトしているラーメン屋で、ちょうどバイトを一人募集しようとしていた所だったらしい。
時給も時間も申し分なし。
早速放課後に面接することになり、私は洋平と一緒に【麺や 天下一】に訪れたのだ。
店の第一印象は“綺麗”だった。
私が思い描いていたラーメン屋のイメージとは掛け離れていて、お洒落なカフェのような感じだ。
木目調のカウンター、四人掛けテーブル、すべての椅子。
手作りメニューも壁に貼られたポップも可愛らしく、店内だけ見るとラーメン屋には見えなかった。
最初調理場から出て来たのは、年配の女性だった。
背が低く痩せ型で白髪が混じった女性は、皺を寄せた笑顔がとても優しそうで何処かホッとするような感じの人で、ここの女将さんだという。
『洋ちゃんの彼女さん?』だなんてニコニコ顔で言うと、洋平は出されたお茶をブッ‼︎と勢いよく吐き出す見事な動揺っぷり。
続いて出て来たのは、洋平が“親父”と親しげに呼ぶ恰幅が良い店主だ。
角刈りで眉毛が太く、首に白いタオルを巻いた江戸っ子のような感じの人で、店内の雰囲気に似つかわしくない。怖い印象だ。
だけど、所詮見た目は見た目。
口を開けば怖いなんてそんなことはない。
凄く温かくて物腰が柔らかい人だった。
『名前は?』
『矢嶋彩です』
『年齢は?』
『17歳です』
『やる気はあるか?』
『はい。精一杯頑張ります!』
たった三つの質問。
それだけで採用だった。
『あの、今日は履歴書を持って来ていなくて…』
突然、面接に行くことになったので書く暇がなかった。
洋平は無くても平気、なんて言ってたけど……
『あんな紙切れなんていらねぇよ。あんなの見なくたって会えば大体の事はわかる』
店主が腕を組んで言うと、隣りに座る女将さんがパシンッとその頭を叩いた。
時給も時間も申し分なし。
早速放課後に面接することになり、私は洋平と一緒に【麺や 天下一】に訪れたのだ。
店の第一印象は“綺麗”だった。
私が思い描いていたラーメン屋のイメージとは掛け離れていて、お洒落なカフェのような感じだ。
木目調のカウンター、四人掛けテーブル、すべての椅子。
手作りメニューも壁に貼られたポップも可愛らしく、店内だけ見るとラーメン屋には見えなかった。
最初調理場から出て来たのは、年配の女性だった。
背が低く痩せ型で白髪が混じった女性は、皺を寄せた笑顔がとても優しそうで何処かホッとするような感じの人で、ここの女将さんだという。
『洋ちゃんの彼女さん?』だなんてニコニコ顔で言うと、洋平は出されたお茶をブッ‼︎と勢いよく吐き出す見事な動揺っぷり。
続いて出て来たのは、洋平が“親父”と親しげに呼ぶ恰幅が良い店主だ。
角刈りで眉毛が太く、首に白いタオルを巻いた江戸っ子のような感じの人で、店内の雰囲気に似つかわしくない。怖い印象だ。
だけど、所詮見た目は見た目。
口を開けば怖いなんてそんなことはない。
凄く温かくて物腰が柔らかい人だった。
『名前は?』
『矢嶋彩です』
『年齢は?』
『17歳です』
『やる気はあるか?』
『はい。精一杯頑張ります!』
たった三つの質問。
それだけで採用だった。
『あの、今日は履歴書を持って来ていなくて…』
突然、面接に行くことになったので書く暇がなかった。
洋平は無くても平気、なんて言ってたけど……
『あんな紙切れなんていらねぇよ。あんなの見なくたって会えば大体の事はわかる』
店主が腕を組んで言うと、隣りに座る女将さんがパシンッとその頭を叩いた。