だって、キミが好きだから。
「それにね」
お姉ちゃんは、そこまで言うと黙り込んだ。
いつも明るいお姉ちゃんが悲しそうに目を伏せているのを見て、言いようのない気持ちが込み上げる。
やめてよ。
そんな顔をしないで。
お姉ちゃん。
「あたしは菜花には幸せになって欲しいと思ってる。病気なんかに負けないで、幸せになって欲しいの」
「……っ」
お姉ちゃん。
「大事な妹なんだしさっ!菜花が恋愛相談して来たら、背中を押そうって決めてたよ。だって、気持ちは止められないでしょ?恋をしないって決めても、気持ちは止められなかったでしょ?」
うん、と小さく頷く。
お姉ちゃんの言う通りだ。
考えないようにしてみたって、全然ダメだった。
「だったら頑張んなよっ!振られたら、その時はあたしの胸で思いっきり泣けばいいからさ」
スンと鼻をすするお姉ちゃんは、少し涙目になっていた。
あたし……こんなに愛されてたんだ。
お姉ちゃん。
……ありがとう。
うまく言えないかもしれないけど……頑張ってみるね。
心が一気に軽くなった気がした。