だって、キミが好きだから。
きっと、彼を嫌いな人はいないんじゃないかな。
「うん、久しぶりだね〜!元気だった?って、神田君の高校ってこっち方面じゃなくない?」
それなのに、何でバス停にいるんだろう。
中学の時も学ランだったけど、高校でも学ランの神田君。
背が伸びたからなのか、以前よりもちょっと大人な雰囲気を醸し出している。
「今日は遠足で水族館に行くんだ。ってことで、現地集合なわけよ」
水族館か。
確か、このバスの終点がそこだっけ。
「へえ。水族館かー。いいなぁ!この時期に遠足って珍しいね」
「うん。親睦を深めるには最もいい時期らしいけど、寒いのは勘弁してほしい」
ブルブルと大げさに体を震わせる神田君。