偽悪役者
「制服と人事資料を揃えるわよ。」
「了解です。」
「企業なら防犯カメラあるわね。」
「取り寄せるっス。」
幡牛と遁苺は小道具を、轢夲と羮芻は怪しい人物のリストアップ用にと、それぞれ取りかかる。
「今度もヘマするなよ。」
「今度もって何ですか!いつもしてませんよー」
いつもだと言わんばかりの来栖に心外だと橘は抗議した。
「柊、設定どうしようか。」
「企業なら椎名さんに任せますよ。」
元会社員の椎名が適任だと、静音は意見を聞きながらプロフィールを組み立てる。
ただの同僚から良き相棒へと。
そして――――――――――。
善を偽らず、悪を偽っても、何にもなってはくれなかった。
それも良い事ばかりではなく、苦しい事だってあったが、己だけでもなかった。
避け続けたことに偶然が加わり、少しずつ己も周りも変わることが出来た。
しかし勇気と覚悟、そして誰かを想う気持ちは、今回のように優しいものばかりではない。
恐喝を受けるこの企業のように。
だから2係は、今日もまたどこかに潜入する。
偽りが、偽りを無くすと信じて。
「了解です。」
「企業なら防犯カメラあるわね。」
「取り寄せるっス。」
幡牛と遁苺は小道具を、轢夲と羮芻は怪しい人物のリストアップ用にと、それぞれ取りかかる。
「今度もヘマするなよ。」
「今度もって何ですか!いつもしてませんよー」
いつもだと言わんばかりの来栖に心外だと橘は抗議した。
「柊、設定どうしようか。」
「企業なら椎名さんに任せますよ。」
元会社員の椎名が適任だと、静音は意見を聞きながらプロフィールを組み立てる。
ただの同僚から良き相棒へと。
そして――――――――――。
善を偽らず、悪を偽っても、何にもなってはくれなかった。
それも良い事ばかりではなく、苦しい事だってあったが、己だけでもなかった。
避け続けたことに偶然が加わり、少しずつ己も周りも変わることが出来た。
しかし勇気と覚悟、そして誰かを想う気持ちは、今回のように優しいものばかりではない。
恐喝を受けるこの企業のように。
だから2係は、今日もまたどこかに潜入する。
偽りが、偽りを無くすと信じて。


