好きだと言ってほしいから
 すると突然二人が笑い出した。私は首をかしげる。

「やだもー、麻衣ったら。大丈夫よ、私たち別に喧嘩なんてしてないから」

「そうそう。俺と松崎はいつもこんな感じだよ。女のクセに男みたいな性格してるからつい、な」

「失礼ね!」

「ほら。そーいうところがもう男だろ。麻衣を見ろよ。うろたえちゃって可愛いもんだ」

「逢坂先輩のものだけどね」

「あーあー、分かってる!」

 平岡くんがふざけて耳を押さえている。私はくすりと笑った。どうやら喧嘩していないというのは本当らしい。二人は笑っているし、気が合っているように見える。

「麻衣は相変わらずだな。あの逢坂さんと付き合ってるなんてちょっと驚いたけど、付き合い始めて二年ってことは就職してすぐくらいか」

「う、うん……」

 再び逢坂さんの話題を振られた私はまた真っ赤になって俯いた。本人のいない場所でもこんなに話題になるなんて、分かっていたけど彼は相当有名人だったということだ。

「麻衣が告るとは思えないから……やっぱり逢坂さんから言われたの?」

「あ、ええっと……ううん」

 小さく首を振った。

「え? 何? もしかして麻衣から言ったわけ?」
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