好きだと言ってほしいから
「俺はその日によって違うよ。たいてい何でもするかな。今日はジム初体験の麻衣がやりたいものをやろう」

 逢坂さんがにっこり笑うと白い歯が見えた。思わず見惚れてしまう。
 私と同じようにTシャツにハーフパンツ姿なのに、彼が着るとたちまち洗練された服に変わる。彼ならどんなボロを着たってかっこよく着こなしそうだ。

「じゃあ、有酸素系で……、ええっと……何がいいかな……」

 正直マシンを見てもランニングマシンくらいしか分からない。スタイルのいい若い女性が棒を持って足を上下させたりしているのもあるが、あれが何なのか私は知らなかった。

「そっか、ごめん。初めてだからよく分からないよね。じゃあまずはクロストレーナーにしようか」

 逢坂さんが私の手を取り顔を覗き込む。私はこくりと頷いた。彼が私の手を引いて向かう先には先ほどの女性がトレーニングをしている。

「クロストレーナーって何ですか?」

「あれだよ」

 そう言って逢坂さんが指差したのは、やっぱりさっき私が見ていた棒のついたマシンだった。

「関節にかかる負担が少ないし、全身運動ができて消費カロリーはジョギングよりも高いんだ」

「へえ……」

 見た感じ、そんな激しい運動には見えない。これが走るよりもカロリーを消費するなんて驚きだ。
< 32 / 83 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop