好きだと言ってほしいから
「麻衣は、俺と結婚したい? 俺と結婚してもいいと思ってくれてる? この先ずっと、俺と一緒にいてもいいと、思ってくれる?」

「逢坂……さん……」

「俺はやっぱり海外統括グループに行くよ。最初はいろんな拠点を回らなければならない。慣れない海外生活で、やっと慣れた頃にはすぐ次の場所へ移らなければならない。多分、俺は自分のことに精一杯で、これまで以上に麻衣に寂しい思いをさせるかもしれない。それでも俺には麻衣が必要だ。俺は君がいないと、頑張れないんだ……」

 逢坂さんが抱きしめていた腕を離すと、両手で私の頬をそっと包んだ。少し体を屈めて間近で私の瞳を見つめてくる。

「愛してる、麻衣。だから、俺と結婚して欲しい……」

「逢坂さん……」

 間近にある彼の顔がぼやけている。鼻がツンとして目が熱い。私が微笑んだとき、頬を熱い雫が伝うのが分かった。

「私……、逢坂さんがいるから……日栄に、入ったん……です。逢坂さんが海外へ行くなら……私も行きたい。逢坂さんがいるところに、私も、いた……い。あなたとずっと一緒にいたいんです……。だから、返事は一つしか……ありません……」

 逢坂さんがさらに顔を近づける。鼻と鼻が触れ合った。目を閉じた逢坂さんが囁く。

「……俺と結婚、してくれる?」

 私は頷く。少し下を向いてしまった私に、彼は今度は額を擦り合わせた。

「俺についてきてくれる? ずっと一緒にいてくれる?」

「……は、い」
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