【完】俺が絶対、好きって言わせてみせるから。
黒瀧くんは急に目を輝かせた私を見てクスッと笑う。
ついつい素が出てしまったみたいでちょっと恥ずかしくなった。
彼はいつも私を見て楽しそうに笑う。
その見守るような穏やかな笑顔を見てると不思議な気持ちになる。
胸があったかくなるような、くすぐったいような…。
何が楽しいんだろうって思うんだけど…、黒瀧くんはいつも私といて、わけもなく楽しそうだ。
「美味しい〜」
焼き菓子は本当においしくて、勉強して頭使った後だからなおさらだった。
黒瀧くんはわざわざコーヒーまで淹れてきてくれたし。
「このコーヒーなに?
すっごくいい香りがする!」
「あーそれは影山が淹れてくれたんだよ。
影山はバリスタの資格も持ってる」
「…えぇ〜!?
前から思ってたけど…影山さんって何者なの?
カッコいいし、若いし、多才だし、もっと他の仕事やればよかったのに」
「はは、まぁな」
「使用人にしとくのにはもったいないんじゃないの?あんなイイ男」