生徒だけど寮母やります!2
「えっと.....それじゃあ.....お言葉に甘えて。ちょっと分からない問題があるんだけど.....」
申し訳なさそうに言う景に、ルークは笑みを浮かべる
椅子から立ち上がり、景が座る椅子の横から問題集を覗いた
「どれ」
「この問題の2番.....ここまでは理解できるんだけど、なんでこれがこうなるの?」
「うん、これは公式を覚えてないと出来ないやつ。いらない紙ある?」
「あ、このノートなら」
景のボールペンを手に取り、さらさらと問題を書き写すルーク
考えてみれば年下に教えてもらってるんだけど
「この公式を使えばこの式がこう変形されて.....」
字もうまいし分かりやすい.....
凄い.....
私が理解してない部分を的確に教えてくれる.....
こうして景は彼の完璧な説明にふむふむと納得しながら、一時間ほどで宿題を終わらせた
ルークのおかげでいつもの倍早く終わったと言っても良いだろう
最後の問題を解き終えた景は、達成感を感じながら伸びをした
「ふぅー.....!ありがとう、スッッゴイ分かり易かった!」
晴れ晴れとした表情でノートを片す景に、ルークは優しく微笑む
「私ミヨちゃんのところに行ってくるね。ルーク君は付き合わせちゃったから、ゆっくり休んで」
「はいはい」
ふっと笑って頷くルーク
景はパタパタと忙しなく階段を駆け上がっていく後ろ姿をルークに見送られながら、満宵の部屋へと急いでいった