生徒だけど寮母やります!2
「ふー.....ただいまぁ.....」
景がすべての例を出し尽きる頃には、すでに2人は男子寮Bの中にいた
てか.....なんでルーク君はこんなこと聞いてきたのかな.....
人に伝えることで過去の嫌な出来事を鮮明に思い出した景は、なんとなく疲れを感じながら鞄を開ける
「えっと.....まぁその何で学科授業を受けないのかは分からないけど.....」
「寮母さん.....景の推測通り、俺がMAの構成員だから免除なんですよ」
「そ、そうなんだ..........。私は下校してから3時くらいまでのこの時間に、宿題を終わらせないといけないから.....まぁお好きに」
景が取り出したのは数学のノートと問題集
それに目を落としたルークは
「数学、教えようか?」
と微笑を浮かべながら首をかしげた
足を組んで両手を肘掛に置いた、まるで王様のように椅子に座るルークに、景は思わず見とれてしまう
色々言っていたので何人だかは忘れたが
(出身はドイツらしいが親が何人かは言っていなかったような気がする)
改めて、その白人特有の滑らかな肌
細く艶がかった金髪
シャープで碧に燃える瞳に、吸い込まれそうになった
「確かに、ルーク君は頭良さそうだよね.....MAだし.....」
「haha.....寮母さんはMAを何か凄いものだって思い込み過ぎだよ。それに頭が良いからとかそんなツマラナイ理由でMAなんか入らナイ。優良企業じゃないんだから。自分の力を試してみたくてMAに入ってるだけ」
「そ、そういうものなんだ?」
いや、でもMAに入るにはかなり厳しい条件をクリアした天才のような人でないと無理なはずだ
これは最近MAについて狂ったように調べて分かったことなのだが、あの組織は本当にとても真面目で善良な組織なのだ
(難しくてそれしか分からなかった)
一言で表すなら「全魔術人口の正義の味方」みたいな