生徒だけど寮母やります!2



景たちは目的地の駅まで着くと、新幹線からおりて、スマホで地図機能を駆使する咲夜を取り囲んだ


咲夜のもとにクラスメートから連絡が来て、新幹線内で聞いた話なのだが、爽馬の実家は山の奥にあるとのことで、少なくとも1時間は歩く必要があると聞いて5人のテンションは若干下がっていた


「トモダチのためだろ1時間くらい歩けいっちー」

「なんだよライ、誰も歩きたくねえなんて言ってないだろ顔には出したかもしれないけど!?」

「さっきからうるさいよ君たち」


結斗は咲夜のスマホを覗き込んだまま2人をたしなめると

「この山で間違いなさそうだね」

「だな」

と咲夜と頷き合う


景はライと市河を振り返って

「ハイキングだと思って楽しんでいこうよ」

と2人を元気づけた


「女子高生に励まされてんぞ」

「景って体力はどう考えてもなさそうなのにな」


ちなみに狐の本家の山ともなると、どんな妖怪が出てもおかしくないので、万が一、その時のために体力を温存するべきだとして魔術妖術を使用して山を登るのはやめようという話である


これは5人で決めたわけではなく、先に山へと入っている小高家突撃隊からの忠告だった




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