生徒だけど寮母やります!2

再会します!





そうこうして山へと入った景たち5人だったが、歩いている場所が文字通り本当にただの山であることに、景は少し戸惑っていた


とてもではないが、今自分が歩いている場所は道とは言えなかったのだ


本当に進んでいる方向が正しいのかもよくわからない

そこだけ木が無く、多少草や石が避けられた、細長く続く線みたいなものだった


「いやー高校生になってもこんな自然の中をハイキングするとは、思わないよなーー」

先頭を歩く咲夜の言葉に返すものは誰もいない

「あれ?もしかしてもう疲れてるのみんな」


彼が後ろをちらりと振り返ると、誰もがハッとしてその顔をサッと逸らす


「え?」

「ごめん咲夜、今度うちの神社に行くときはお前も誘うからさ」

「.....あ」


目を逸らしたままの市河の謝罪に、咲夜は思わずしゅんとして呟いた


「.....そうだったな.....話聞いたけど、お前ら去年の夏にいっちーの神社の裏の雑木林の中で、ライと爽馬が組み合わさって飛んで狐を突破したとか言ってたもんな」


「誰が言ったのそのおもしろい状況」


景は『ライと爽馬が組み合わさって飛んで狐を突破』する光景を思い浮かべて真顔で独りごちる


「俺《の電流》と爽馬《の炎》が組み合わさって飛んで狐《の竜巻》を突破、な」


ライの訂正を聞いているのかいないのか、肩を落とす咲夜を見つめると結斗は笑顔を作ってその肩をぽんと叩いた
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