生徒だけど寮母やります!2
「......!!」
「景!!」
咲夜がしゃがみこむ景の横に膝をつき、背中を支えるのと同時に
ライ、結斗、市河の3人は2人を庇うように前に立った
20メートルほど先で地に這うように倒れていた爽馬の手が、こちらに伸びている
「油断してたな.....」
彼の出した炎が景の足にヒットしたのだろう
市河が苦い顔で呟いた
「まだ動けるのか.....あいつ」
「限界じゃないかな」
ライと結斗も爽馬の動きを警戒しているようだ
そんな光景を、景は何も言えずにただ見ていることしかできなかった
「景.....!大丈夫なのか!?」
咲夜が心配そうに景の顔を覗き込む
無表情で前を見つめていた景は、彼に心配され
「うん、大丈夫だよ」
と微笑んで気丈に答えた
「いや......かなりの炎が当たっただろ!?」
「ま.....まぁ.....」
実際、ずっと足の肉が裂け続けているかのような激痛が景を襲っていた
必死に足の傷を抑えていたが、もう血は隠せそうにない
次の瞬間一気に景の足を抑える手の下から赤い血が溢れ出て、咲夜は目を見張った
「..........!!.....結斗!!!」
「.....え!?」
結斗だけでなく、その声に振り返った3人も、景の足を見て目を疑う
「景ちゃん.....!」
この光景を遠くから見ていた爽馬は、その様子に表情を変えることなく
シュッと上へ飛ぶと、この場から一瞬で姿を消した
彼がいた場所は、木の葉がかすかに揺れているだけだった
やはり爽馬ももう限界だったのだろう
これ以上爽馬に攻撃されることはないだろうが、景が傷を負ったのは痛かった