生徒だけど寮母やります!2

実は知っています!






半袖Tシャツに下はスウェット

寝ていたままの服装でヨロヨロと息を切らし図書館へやってきた満宵は、テーブルで勉強している千加と千冬を見つけると、最後の力を振り絞って彼らの元へと駆け寄った


「ちっ.....千加.....千ふ.....ゆ.....」


「.....満宵!?」


千加が驚愕して彼の名前を呼ぶのと同時に、千冬が椅子から立ち上がって満宵をしっかりと受け止める


「満宵!どうした何があった!?」


図書館にいるのは彼らだけ

満宵は顔をゆがめて千冬を見上げると、先ほどの出来事をか細い声で伝えた


「ルークが.....『小高先輩』と電話してるのを聞いたんだ.....。よく分からないけど.....小高先輩って.....景ちゃ.....たちが会いたがってた.....」


その説明だけで、千加と彼の横に来た千冬は顔を見合わせ頷き合う

信じられない話ではあるが、満宵の言いたいことは伝わった


「満宵、分かった。でもそれは後だよ、まず君の方が心配だ」


「だ.....大丈夫.....多分休めば治るはずだから.....僕、情けないけど怖くて寮からでてきちゃったんだ.....」


「分かってる。大丈夫だから満宵。どこかで安静にしよう。薬とかは持ってない?」


千加が満宵の背を支えてそう訪ねた時、図書館の扉が開き入ってきたのは、運のいいことに波屋有姫と九雷鈴菜だった


景が小高家へと行ってしまい残された有姫は、今度は鈴菜を連れて勉強しに来たのだろう


「先輩!」


千冬が緊迫した表情で二人を呼ぶと、ぐったりした様子の満宵に気がついた二人は顔色を変えてすぐに駆け寄ってきた
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