生徒だけど寮母やります!2
先生がいなくなった保健室で、満宵は彼らに向かって苦しそうな顔を向けた
鈴菜と有姫は、体がつらくなったのかと一瞬心配して立ち上がろうとしたが
「まだ.....続きがあるんだ.....」
その満宵の言葉に動きを止めた
「続きって、なんの続きかしら?」
図書館での満宵の言葉を聞いていない彼女たちに、千加が聞いたことをそのまま説明する
「男子寮Bの一年生の藤樫ルークって奴が、小高って人と電話してるのを聞いたって話」
「.....なんですって!?」
耳を疑い驚きの声を上げる有姫の横で、鈴菜は小さい声で
「藤樫ルーク.....」
と呟いた
「先輩.....ルークのこと知ってますか」
そう尋ねる千冬に、鈴菜は有姫と顔を見合わせてから頷いた
「新学期にうちのクラスの潮見って奴が、景を魔法を使って誘拐した事件。あのときに、私たちよりも早く景を助けに向かってたのが藤樫ルークやったから」
「だから私たちと藤樫ルークは、景が誘拐された多目的室.....だったかしら、で一回だけ面識があるわ」
「なるほど.....」
事後報告という形でその出来事を聞いていた千加と千冬は、そうだったかと頷きながら2人を見た
そして、話が落ち着いたのを見計らって、満宵は再び口を開いた
「小高さん違いかなとか、先輩たちが会いたがっている爽馬って人の親戚かもしれないとか.....色々考えたんだけど、その可能性は多分低くて.....話し方からして、本当に電話の相手は小高爽馬本人なんだと思う。
それでね.....ルークは彼に、景ちゃんたちが小高家に向かってるって伝えてたんだよ.....。それから、小高家に近づこうとする景ちゃんたちと戦って阻止するように伝えたんだ」
満宵の言葉に、4人は暫く口をつぐんだまま、それがどういうことなのかを考えていた
そして、千冬が以前、咲夜から聞いたルークの正体をぽつりと零す
「.....ルークは.....MagicAssociationの一員って聞いたけど.....それは.....」
千冬の言葉に、魔術科の満宵、鈴菜、有姫は、「「え!?」」と驚きの声を上げた