生徒だけど寮母やります!2


『ただ.....その俺の憶測が合ってれば、多分今頃.....

伊吹グループは倒産しているかもしれない』


先ほど耳を疑った結斗の言葉と、右に大きく下がった株価のグラフが一致する


ゾクゾクッと、背筋が凍り

景だけでなく、その場にいた全員が全身に寒気と鳥肌が立つのを感じた


「嘘だろ.....」

「結斗.....これってどういう.....」


市河と咲夜が、画面を見つめたまま声を震わせる


「.....What?」

このことはルークも予想外だったのか、彼も眉をしかめると、小さい声で驚きを口にした


景にも

目の前の光景がまったく信じられなかった


なんで.....

なんでルーク君の話にお姉ちゃんが出てきたと思ったら、今度は伊吹グループが潰れなきゃいけないの?


伊吹グループは簡単に潰れるような会社じゃないし、爽馬達の進入だって成功したわけじゃないでしょう!?


そう叫びたくなるのを我慢して、景はゴクリと唾を飲み込む


しかし意外にも、この中で一番冷静なのは


株価を見る限り、今最大級にピンチな伊吹グループの御曹司


結斗だったのだ


最初は驚いていた彼も、すぐに状況を飲み込んだのか、目つきを変えて景達を見渡す


そのことにも、景たち全員は驚かずにはいられなかった


「結斗.....」

「景ちゃん」

「.....え.....ん?」


そして景に向かって、彼はこう言った


「もう一度、実家に、伊吹グループに帰りたい」

と。
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