生徒だけど寮母やります!2


「また.....侵入者か!?誰だお前!」


正体の分からないその人と対峙した市河がそう叫ぶと

いつのまにか、結斗の家に突然現れたその人


その若い女は、彼らを睨みつけて

「来るな!!」


と叫んだ


「.....え.....」

驚きに声も掠れ、依然口を押さえて愕然としている結斗の姉


すると女は警戒体制を保ったまま、何やら機械を取り出し口元に当てる


そして早口でまくしたてた


「.....聞こえる!?.....見つかった。今すぐビルの外にワープを張りなさい.....!」


彼女の口から出た「ワープ」の文字


話の内容からするに、彼女も自分たちと同じ特殊な能力を持っている人間なのだろうか


女はくるりと振り返ると


ガチャッ.....

背後にある窓を慣れた手つきで思い切り開けた


「おい.....まさか!」

「逃げるな!」

何をしようとしているのか勘付いた咲夜と結斗が叫ぶ


女は窓枠を握ると、グッと体を持ち上げて腰を乗せた


飛び降りて、彼女の仲間が張ったビルの外のワープに飛び込む気なのだろう


窓枠に躊躇もなく足を掛けて身を乗り出す



そして


女が窓から飛び降りるのと同時






「お姉ちゃん........!!!!」




そんな景の悲痛な叫び声が



リビングに響き渡った


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