生徒だけど寮母やります!2






○+。.*.。+○+。.*.。+○+。.*.



その頃


鈴菜は校舎裏で1人うずくまり、チビチビとコーラを飲んでいた



先程自販機で買ったばかりのそれは、喉だけでなくペットボトルを通じて手を冷やし


自分の頭をも冷やしてくれるような気がした



「はぁーー」


盛大に息を吐き出しながらため息をつくと同時、後ろから足音が聞こえ振り返る



「大きなため息だね〜。お疲れ?」


見上げるとそこに立っていたのは布川咲夜



知人以上友達未満ともいえる間柄の人間の登場に、鈴菜は

「まぁ.....はい」

と苦笑いした



「はははっ、いやいや敬語は無しでしょ」

「あぁ、確かにちょっと他人行儀やったな.....いや、火野ライの母親の件もあって今日は疲れてん」


素直に敬語を使ったことを後悔した鈴菜は、代わりと言っては何だが本音を吐いてみる


布川咲夜はそれに壁が薄くなったことを感じたのか笑顔で頷くと


「だよな。1人ふけってた所邪魔してごめん。偶然見かけて声かけちゃった」

と謝った


そんな彼を見ながら、鈴菜は口元から笑みを消す



彼のことは疑いも無く、ムードメーカーでいつも人に囲まれているタイプの人間だと思っていたし、実際そうなのだろうが


なぜ後夜祭の友達との談笑が一番楽しい時間に、こんな場所に来ているのだろうかと疑問に思った


とはいえ、そのような野暮なことを聞くつもりはない


咲夜は黙ったままの鈴菜に無垢な笑顔を向けると、その隣にしゃがみ込む


彼も何も言わなかったが、睫毛の伏せる横顔があまりに綺麗で



鈴菜は少しだけ息を止めた
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