生徒だけど寮母やります!2

男は続ける


『笠上美音の携帯データを常にこちらで監視していたが、先ほど、妖術結社脱退を示唆する内容のメールがお前宛てに送信されたのを確認した。

GPSを追跡したところ、この夏祭り会場のゴミ箱に携帯電話が捨てられているのも発見している。

これは彼女にとって重大な契約違反であり、また、こちらは笠上景がいる夏祭り会場に彼女を連れてきたお前にも責任の一端があると捉えている』


「爽馬が.....ここにお姉ちゃんを連れてきたの?」


___訊きたかった


どうして


どうして一年前みんなで来たこの夏祭りに、お姉ちゃんを連れてきてくれたの?


私たちに、現に今みたいに、出会ってしまってもよかったの?

もしかして会いたいと思ってくれていたの?


けれどその疑問は声にならず、爽馬には届かない



「ねぇ、爽馬.....あの人たち何かしら理由を付けて君と、景ちゃんを拘束したいんじゃないの?」

「.....そう、だと思う」


ようやく返事をしてくれた


少なくとも自分たちと話すことを嫌がっているわけではないみたいだ


嬉しがるところじゃないんだけど

このまま行ったら私拘束されるらしいんだけど


それでも少しだけ安堵した景に、ルークが微笑む

「じゃア、今度こそは景が拘束される前に助けて、same mistakeを回避しないとイケナイね」


「そうだね、あれは色々と反省したからね」


結斗が記憶に新しい潮見事件について苦笑いすると、嫌なものを思い出したのか

「いやあ、九雷さんと波屋さんが潮見をフルボコボコにするんじゃないかと心配しました」

「どいつもこいつも拘束プレイ。懲りねぇな」

と市河とライが嘆いた

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