生徒だけど寮母やります!2

暴れます!










全力でいけ


それはつまり



全力で走れという意味である


「ヒ〜〜〜っ」


「景、いつからお前そんな鈍足になった?」


「も.....元から.....」


「先輩!あの人達もう追ってきてます!」




しかもなぜか向かうは現在使われていない校舎

昇降口にいち早く辿り着いたライは右手をかざして電流でガラスを割る


ピシャッッ!!!

バリンッッッ!!!


割れずに残った下の方のガラスも何度かの電流で粉々に割ると、靴でジャッジャッと大きなガラスの破片を避けた


「うわぁ.....公共の建物がぁ.....」

ゾッとしてライの数歩後ろで立ち止まる景に、結斗が「まぁ大丈夫だよ」と背に手を当てる

「大丈夫かなぁ.....弁償かなぁ」


ライはガラスを壊してできた入り口から校舎内に入ると、その手を景に差し伸べた


「早く中に!」

「う、うんっ」


景に続いて、千冬、ルーク、爽馬、市河、結斗も中に入る


全員が入り終える頃には、既に追っ手はそこまで来ていた


「先輩、ここは僕とルークでなんとか時間を稼ぎます。先に行って下さい!」


追っ手と対峙しながら背中で言う千冬


二年生全員は「えっ」と声を上げ立ち止まり、一瞬顔を曇らせたものの


「ドラゴン.....」(結斗)

「ドラゴンか」(市河)

「ドラゴンがいる」(景)

「じゃ、任せるわ」(ライ)


千冬の横に立つルークに目を止めると、ああと納得して顔を見合わせた


「分かったら早く逃げて下さいー!!」


頼りにされなかった、というよりドラゴンに存在が霞んで負けた千冬がイラっとしながらそう叫ぶと


「ごめん、よろしく。千冬、ルーク」

と結斗が声をかける


「OK」

「はい!」


2人とも振り返り2年生と顔を見合わせて強く頷くと、彼らが階段を駆け上がっていく音を背中で聞いた
< 415 / 547 >

この作品をシェア

pagetop