生徒だけど寮母やります!2

だから

先輩に対して強く当たってしまった


「ごめんなさい.....」


結斗はしゅんとする満宵をぎゅっと抱きしめ、頭一つ分以上身長の低い彼の髪を優しく撫でる


「ううん.....ミヨちゃんの言う通りだ。あの作戦は確かに危険だった。勢いでここまで来たけど、もっと考えないといけなかったよね。ごめんね、心配かけたね.....」


その光景は兄と弟の様で、結斗の胸に顔をうずめながら満宵はかすれた声を出した


「心配しましたよ.....僕だけじゃなくて、千加も弥隼も。先輩達には自分たちを大切にしてほしいし、特に景ちゃんには本当は危険なことはして欲しくないから」


名前が出た千加と弥隼は顔を合わせて、目で頷き合う


咲夜はそんな二人の間に入って彼らの肩を抱くと

「ごめん、それと、ありがとう」

と、その体制のまま頭だけ下げてしばらく顔を上げなかった


「咲夜先輩.....」


「私もごめんなさい」


景も咲夜に次いで謝ってからこう続ける

「皆に迷惑かけない方法を探したつもりだったけど、それが実際にはみんなに大きな心配をかけちゃったことに、言われて初めて気が付いて.....凄く情けないよ」


落ち込んだ様子の景に、満宵は結斗から慌てて離れブンブンと首を振ると

「僕もつい言いすぎてごめんね景ちゃん」


景の両手を、自分のそれで包み込むように握りしめ



少しだけ自分より背の低い景を右手で引き寄せると、その右頬に口づけた

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