生徒だけど寮母やります!2



さて

茶を濁し湯呑みを片手に市河家の台所にやって来た景


そこではシヅキとカヅキが、大量の皿をダイニングテーブルに並べながら楽しそうに談笑していた


「お皿の種類バラバラで見栄え悪いわね」

「人数分あっただけマシやろ.....あ、景ちゃん」


カヅキは並べかけの皿を手にしたまま、戸の隙間からひょこりと顔を出した景に気付き「どしたー?」とニコリ笑う


「あ、あのすみません、お茶のおかわり貰っても良いですか?」

「どうぞどうぞ」

「もちろんー!こっちおいで」


シヅキは一旦手を止めて冷蔵庫を開けると、緑茶のペットボトルを取り出す


「すみません、ありがとうございます」

「いいえ〜」


そして景から湯呑みを受け取ると、トポトポと注いでくれた


「はい、ごめんね冷茶なのに湯呑みで。グラスが少なくてね」

「あっ、ありがとうございます。いや、もう10人なんかで押し掛けてしまい本当すみません。夏祭りの忙しい時に物凄く心配お掛けしてしまって」

「全然ええよ、こんな何もない田舎の夏祭りに来てくれるだけで嬉しいし。それに今回のことは景ちゃんが謝ること違うし、話聞く限り」

「いやいやいや」


シヅキにもカヅキにも申し訳ないほど優しくされて、景は嬉しそうにペコペコと頭を下げる


そして一気にお茶を飲み干し、ふぅと一息つくと綺麗に並べられたたくさんのお皿に目を止めた


景が気になっていることを察知したのか、カヅキがニヤリと笑う


「さっきそこでシュークリーム買って来たからみんなで食べよう」

「えっ」


そう


市河家は景たちのために人数分(15コ)のシュークリームを買ってくれてたのだ


目の前の大量の皿は、それを並べるためのものだった


_____一体どれだけシヅキさんとカヅキさんたちに良くしてもらってるだろう


_____感謝してもし切れない.....
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