生徒だけど寮母やります!2

「ありがとうございます.....!」

「いいわよぉ、いつも息子がお世話になってるんだし」


シヅキが冷蔵庫から大きな白い紙箱を取り出すのを見て、カヅキがテーブルを簡単に片して箱を置くスペースを作る


大きな箱のフタを開けると、黄金色のシュークリームがバニラの匂いをふわぁっと香らせた


「ここのが有名で美味しいから、是非食べてもらいたくて」


1つ1つ皿の上に丁寧に並べるシュークリーム

実は祭りで何も食べれなかった景には輝いて見えた


「ちょっと数が多いから2つのお盆に分けて持ってくか」


カヅキの呟きに寮母レーダーが反応した景は

「了解です!運びます!」

と部活のように元気な声を出す


「あはは、ありがとう。まったくお客さんに手伝わせて日向は何してんだか、あいつのシュークリームにはワサビでも入れておこうね」


景はシュークリームが乗った皿からお盆に乗せながら、カヅキの冗談にはははと笑い返す


そして人数の半分である7個を乗せると、お盆を持ってくるりと振り返った


「あ」

「あっ.....景ちゃん」


そこでちょうどキッチンに入ってきた結斗と目が合う


「ここにいたんだね」

「うん!見て見て、ありがたいことにシュークリームを頂いちゃったんだよー!全員分あるからみんな食べれるよ!とりあえず7つ居間に持ってくね」


彼は言われてハッとした様子で景が持つシュークリームに目線を移すと

「あ.....!すみません、ありがとうございます」

と礼を言った


「いいえ〜いつも息子がお世話になってます」

「あ、いえ、こちらこそ」
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