生徒だけど寮母やります!2
もう少し詳しく
とは言えど、たった今ライが言った通り事実は大きく2つ
・魔妖高校の現養護教諭はかつて弁護士を目指し弁護士免許まで取得した挙句、最後の最後になぜか夢を変更したシヅキの秀才同級生、九雷光であること
・その九雷光はライの実の母親であること
どうしてそれが分かるに至ったのか
なぜ彼女は養護教諭になったのか
カクカクシカジカ.....
それを付け足しつつ景たちはライを中心に今までの九雷光に関することを説明した
「.....て訳で、この後学校に戻ったら取り敢えず真っ先に九雷光とMA本部に話を通します」
到底自分の母親のことを言う声のトーンではないライに、しばらく開いた口が塞がらなかったシヅキは感心した様子を見せた
「聞いていて色々な思いがこみ上げてきたわ。そうね、まずは火野君が実のお母さんに会えたこと、本当に良かったわね。光さんの強いあなたへの想いが作ったこの出会いを大切にして、いつか親子の会話ができる日が来ますように」
聖母シヅキの暖かい祝福にライの顔も少しばかり綻ぶ
「.....はい」
景もつい嬉しくなり微笑んでライの顔を見上げると、パチリと目が合う
一瞬だけ、微笑み返してくれたような気がした
「それから、あなたたちが爽馬君と学校に戻ってから具体的に何をするのか、取り敢えず考えがあることは分かったわ。頑張って欲しいし、何か力に慣れることがあったら遠慮なく頼ってほしい。けれど、例え全部がうまくいったとしても.....」
言いかけてシヅキは爽馬に身体を向け視線を合わせる
「ごめんね、その後爽馬くんが魔妖学校に戻れるかどうかは爽馬くんのお家の問題だから.....」
もしかすると、戻れないかもしれない
シヅキがそう言い終わる前に
「大丈夫です」
爽馬は迷うことなくハッキリと答えた