生徒だけど寮母やります!2

先生、話があります!









* * *




午後6時半


「先生!!」


魔妖高校に戻った景は声を張りながらドアをスライドさせた


先生___保健室にて仕事をしていた養護教諭の女性は、何事かと驚いた様子で入口の方を振り返る



「笠上さん?.....あなたたちも」


何かノートに書き込んでいたらしい手を止め立ち上がった彼女は、景の後ろから保健室へと入ってくる生徒の1人に目を止め、あっと声をあげた



「あなた、小高くん!?」


そこにいるはずのない元生徒の存在に、彼女は瞬時に景が勢いよく自分を訪ねてきた理由を悟る


「はい」


その顔は信じられないとでも言いたげな愕然とした表情を作り



「まさかあなたたち今、小高くんを連れ戻してきたの!?」

と彼女にしては珍しく大きな声を出した



「はい、たった今.....別に爽馬の実家や妖術結社に行った訳ではないんですけど、たまたま外で遭遇しまして。連れてきました」


という景の説明では間違いではないが実はそんな生ぬるい話でもない


彼女にはそれが分かったのだろう

「一体何があってどうやって.....」

と呟いて、いつも想像を一枚超えてくる生徒たちの顔を見渡した


彼らの瞳があまりにも真っ直ぐで



「よく無事で帰ってきたわよ」


そう呆れたため息とともに口から出てきた言葉は、景たちのことを褒めてくれたような気もした
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