生徒だけど寮母やります!2





「じゃあみんな、今日はもう寮に帰って休みましょうか。景は男子寮Bに行って自分の荷物をまとめたらすぐ女子寮に帰りなさいね。.....いいわね?」


ニコリと笑う京子から無言の圧力が痛い



「い、いいです.....」


景が両親に怯える光景が珍しいのかクスッと笑い「はい」と返事した月沼を、結斗は歩きながら見つめ理事長室を出た


「失礼しました」

「「失礼しましたー」」


彼に続いて理事長室を後にした景も、月沼を見つめる結斗の表情が優しくあることに安堵する



この先何があっても

彼らの関係が今のままずっと続きますようにと心から祈った


自分もまた、親や大人たちに壊されることなどあってはならない、この尊い絆を失わぬようにこの先見守り助ける事が出来たなら

寮母としてまた一つ成長できる気がするのだ




ま、見守る前に

これから2週間の間、私は寮母謹慎なんですけどねー!!


謹慎が解ける頃には夏休みも終わる


「よしっ!」

しっかり反省と充電をして、新学期からは心機一転頑張るぞ!



「おっ、景ちゃんそれなんの気合?やる気だね」

「えっ、えぇと.....色々?反省して頑張ろうとか、謹慎このヤロー遊んでやるぞー!の気合もあるかな」

「いいね!遊ぼ遊ぼ、俺とデートしよう」


結斗がパチンとウインクを飛ばすと



「火野君に焦がされないようにね」


と前を歩いていた月沼が振り返り

「冗談じゃない」と結斗は口を開けて笑った


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