生徒だけど寮母やります!2



潮見はなんらかの目的で景に近づき、騒ぎにならないよう周りの人々のわずか数分間の記憶を消すとともに景とどこかへ消えた


今起きたことについて、それ以外の推測は難しい


それに、景と多少の距離を置いて歩いていた2人には魔法がかけられていなかった、もしくはかかっていなかったことから、潮見の記憶操作術のキャパシティが高校生相応の低さであることを物語っている


自分たちの推測は間違っていないはずだと、ライと結斗は顔を見合わせ頷いた


この後は各自解散で各々が寮に帰る


景が教室に帰ってこなくても誰も不思議に思わないだろうし、例え鈴菜や柊がそれに気づいても、きっと男子寮Bへ急いで帰ったのかもしれないと思うだろう



「どうするライ」

結斗は冷静さの裏に怒りを隠しながらライに問いかけた


このどうするとは、どういう手段で景を探し出すかという意味だ


このまま人の流れとともに教室に辿り着けば、鈴菜や柊、有姫は女子寮へと帰ってしまう


ライは

「咲夜、いっちー、九雷たちには話して、手分けして探すなり潮見の魔法を破るなりしたほうがいい」


そう言いながら手を握りしめた


< 63 / 547 >

この作品をシェア

pagetop