生徒だけど寮母やります!2


ぐっと手を握りしめ視線を下げた景の心情を読み取ったのか、結斗は横にいる彼女の肩を抱いて、優しくトントンと叩く



結斗を見上げた景に優しく微笑むと、彼は警戒したような顔つきで潮見に言った


「こんなことがあった以上、今まで通りただのクラスメートとして君を見ることは出来ないけど、今回のこと、関係のない生徒に他言はしないよ。ただ、男子寮Bの生徒と柊ちゃん、有姫ちゃんについては、景ちゃんを探すのに携わっていたから言わせてもらうけどね」


「.....お好きに」


潮見は投げやりな口調でそう吐き捨てて教室から出ようとしたが、ドアの前で立ち止まるとやり切れないような口調で


「やっぱり僕には納得できない。.....藤樫ルーク、貴方が何故ここにいるのか」


そう言った


彼がドアをガラガラと開けて出て行くのを、景たちは無言で見送る



彼のいなくなった教室で、ふぅ、とため息をつくと、彼らは目を合わせ、何も言えずもう一度深く息を吐き出した



ライや市河、咲夜、柊、有姫がここへと辿り着いたのはその後のことだった


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